俳句部門
KYT鹿児島読売テレビ賞
「章魚突の帰りがてらに訪ふ安否」
審査員 園田 千秋 先生
章魚突きは、干潮時に岩場に潜む章魚(蛸)を銛で刺して捕らえる漁のようです。蛸胴突とも言われるようです。作者は章魚突の帰りに、一人暮らし(?)の知人の家に、元気にしていますかと安否を尋ねたというのです。ひょっとしたら突いた章魚をぶら下げているのかもしれません。片手に銛と水中眼鏡、片手に章魚をぶら下げている光景を思い描いてしまいます。互助のくらしが、また生きている所なのです。人は一人では生きてゆきにくいものです。お互い様という言葉が自然と成り立つ社会こそ、福祉社会といえるのかもしれません。