俳句部門
KTS鹿児島テレビ賞
「龍天に登る長目の浜を曳き」
審査員 園田 千秋 先生
長目の浜は、トンボロ地形を生み出すもととなった光景を示す浜です。玉石が転がっている浜で、潮の満干で転がりぶつかり合う音もきこえます。また、浜を遠望すると、打ち寄せる白波がまるで白龍の一部のように見えないこともありません。この風景を作者は龍天に登るという季語を結びつけ、長目の浜を曳きと表現したのでしょう。「曳き」という言葉によって、長目の浜は天に登ってゆく龍の一部になりました。イメージの世界なのですが、映画のシーンのような光景が読者の前に現れてきます。