朝日新聞社賞 「蜃気楼約束の刻あと少し」

朝日新聞社賞

「蜃気楼約束の刻あと少し」

折田 明子 / 南さつま市

審査員 園田 千秋 先生

島の南西部に、蜃気楼の丘があります。遠く中国の町並みが蜃気楼としてみえるのだそうです。さて、俳句には、「約束の刻あと少し」とありますが、誰との、どんな約束なのか書かれていません。でも、蜃気楼という言葉と重ねた時、約束はかなわなかったのではないだろうかと想像してしまいます。蜃気楼は実際の風景ではなく、まぼろしの風景なのですから。心象風景が俳句となりました。