俳句部門
南日本新聞社賞
「秋光のしぶき喜々として帰港」
審査員 園田 千秋 先生
波しぶきと共に船が港へむかっています。しぶきが秋の光にきらめきます。そのようすが、「秋光りのしぶき」と表現されました。「shi」という頭韻が、さわやかに響きます。しかも、しぶきが船のたてるしぶきであることは、俳句を最後まで読んで、初めて理解できるのです。さて、帰港という言葉から、母港への到着ということが分かります。波を切って進む船の様子も伝わってきます。また、「ki」という頭韻が、弾む気持ちを示しているようです。