大賞

「魚網干し島の夕焼滴らす」

俳句

藤元 睦子 / 鹿児島市

審査員 園田 千秋 先生

 季語は「夕焼」で夏。四方を海に囲まれた甑島の生業である漁業が、「島の夕焼滴らす」という感覚的な表現の中に見事に詠出されている。「魚網干す」という表現で、島の生活(生業)の全貌が浮かび上がる手法は並々ならない俳句の手練と見た。ことに滴らすのは本当は網の海水であるわけだが、それを夕焼に置き換えて成功した点、抒情性もたっぷりで大賞にふさわしい句となった。