俳句部門
銅賞
「炎天下響く法螺貝かずらたて」
審査員 園田 千秋 先生
" 「炎天」が夏の季語ですが、「かずら立て」にも夏の季節感があります。
この句のよい所は、中七の「響く法螺貝」という描写です。俳句は視覚を用いて描くことが多いのですが、この句は聴覚を用いています。
「かずら立て」の現場にいた人でないと作れない俳句です。法螺貝のブォーという力強い響きが、かずら立ての雰囲気を想像させます。
かずら立てを知らない人にも光景が想像できる表現になっています。ただ、三段切れになっていますので、「法螺貝響くかずら立て」と表現したら、俳句らしいリズムが生まれ、金賞に匹敵する俳句になっていたと思います。"