金賞

「つなを引くきびな漁師の力こぶ」

松下 颯 / 入来小 六年

審査員 園田 千秋 先生

" きびな(きびなご)が夏の季語ですが、鹿児島地方の季語です。
 座五の「力こぶ」に漁師のたくましさが見えてくるようです。つなはあみへつながっています。しだいにあみが見えてきます。銀色にかがやくきびなごが見えてきます。大漁です。つなを引く漁師の腕には、さらに力がこめられます。
 句は、座五の「力こぶ」に全てが集まってくるような作り方になっていますが、このような作り方を一句一章(一物仕立て)と言い、読者に強く働きかける俳句が生まれます。"