トンボロ芸術村 銅賞

「かのこゆり宝石まとう夏の雨」

中村 仁香 / 鹿児島純心女子中学校 1年

審査員 四元 幹雄 先生

夏になると甑島いたるところ「鹿の子百合」が咲き誇っています。私も今年の夏に島を訪れた時、道路や公園、群生している丘陵や岬を拝見しました。花弁が反り返るような花姿と、鹿の子模様があり、下向きに咲く可憐な百合と言われています。その百合に夏の雨が少し降り注いだのでしょう、全体に薄っすらとした雨を纏っています。その情景を「宝石まとう」と表現されました。素晴らしい表現ですね。雨をまとう百合全体も宝石みたいでしょうし、下向きの花弁から滴る雨粒は小さな宝石の粒に見えたことでしょう。なお、鹿の子百合の花言葉は「慈悲深さ・上品」とされています。まさにピッタリの花言葉であり、雨上がりの鹿の子百合にふさわしいと強く思いました。これからも、一つの対象物を季題として表現されるのではなく、今回みたいな「季題+」した俳句作りを心掛け下さい。