銀賞

「春風と兄の島立ち見送った」

塩釜 蒼汰 / 鹿島小 六年

審査員 園田 千秋 先生

 春風が春の季語ですが、「島立ち」にも春の季節感があります。島内に高等学校のない島では、中学を卒業すると、親もとを離れ、島を出てゆきます。春風といっしょにお兄さんの島立ちを見送った蒼汰さんですが、お兄さんのいない寂しさにもう慣れたでしょうか。「見送った」と過去形で書いたことで、島立ちの時の寂しさや悲しさから抜け出して、今はいくらか心にゆとりが生まれたのではないかと想像できる表現になっています。