俳句部門
優秀賞
「トシドンに負けぬ返事や星降る夜」
審査員 園田 千秋 先生
" 「トシドン」が12月31日の行事なので冬の季語と考えてもよいだろう。
トシドンが大きな声で子供たちに問う。「妹をいじめなかったか?」「宿題を忘れなかったか?」「お父さんお母さんのお手伝いはちゃんとしたか?」などと。子供たちは、恐さにふるえながら、泣きながら、それでも大きな声で答えるのだ。「いじめていません」「忘れたことがあったけど、これからは忘れません」「ちゃんとします。」などと。
いろいろと光景のイメージできる言葉が、初五中七の「トシドンに負けぬ返事や」という描写だと思う。その光景に対して、「星降る夜」という季語を配している。「聖夜」のイメージとも重なる季語だ。「夜」の語がなければ、もうひとつ上位になったかもしれない。"